「あんちょこ」は「自習用の参考書」のことです。
アンケートからわかった 現在の死語度は77%です。
本記事ではアンケート結果を踏まえて、「あんちょこ」は死語かを考察します。
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「あんちょこ」の意味を解説

「あんちょこ」の意味を解説します。
「あんちょこ」の意味
「あんちょこ」は「自習用の参考書」のことです。
具体的には、教科書にある問題に解答を入れた解説書です。
つまり教科書の答えが書いてある勉強用のガイドです。
ビジネスで使われる「あんちょこ」
ビジネスの現場では、自分専用のマニュアルを「あんちょこ」と呼びます。
BtoBで、メーカーが販売店の担当者に自社製品を知ってもらうために作る、商品の要点をまとめた資料を「あんちょこ」と呼ぶことがあります。
「あんちょこ」の類語や関連語

「あんちょこ」の類語や関連語は以下の通りです。
- サボ
教科書用参考書のこと。生徒用語。 - さんもん
学習参考書。愛知県で使用。 - 虎の巻
中国の兵法書『六韜(りくどう)』の虎韜巻から転じた。
参考書のこと。 - 虎
虎の巻から転じた。 - とらかん
虎の巻から転じた。 - チートノート
学習のために要点をまとめた「早見表」のこと。
「あんちょこ」の語源や由来を解説

「あんちょこ」の由来を紹介します。
あんちょこの語源は安直
「あんちょこ」の語源は「安直」です。
思考することで糧にする本来の勉強ではなく、「単に答えを詰め込みで暗記していくツール」という意味で、「安直」から転じました。
当初は精神の鍛練や、想像力の発達を助けないという見方で、揶揄される存在でした。
1930年代から使われている言葉
「あんちょこ」は昭和初期に、入学試験や就職試験の攻略として登場しました。
1936年(昭和11年)の書籍にも、「あんちょこ」が紹介されています。
暗記ばかりはよくない、ドイツの小学生は想像力を養う教育をしているという文脈です。
当時のドイツでは、1933年にナチ党 (国民社会主義ドイツ労働者党) の党首、アドルフ・ヒトラーが政権についています。
ユダヤ人とドイツ人の結婚禁止、ユダヤ人の市民権が剥奪されるのは1935年のことです。
今日、小學生や中學生の参考書、注釋書、表解書の類が、如何に無数に賣出されてゐるか、一度書店に入つて御覧になれば、誰方もびつくりなさるに相違ありません。
これ一冊あれば、先生の講義を聽洩しても、少しも困らないのです。勢ひ、教室では緊張を斯くやうになるのです。
これ一冊あれば、解らないことは何もかも詳しく説明してありますから、辭書を引く面倒もなければ、計算をしてみる手数も要らないのです。
生徒達は、これらの注釋書のことを『アンチョコ』と呼んでゐます。蓋し安直といふ意味なのでせう。まさしくこれは、安直に勉強ができる木ですから、これさへあれば、諳記力のよい子供は、忽ち優等生になれるわけです。
アンケートで10代50人に「あんちょこ」は死語かきいてみた

15歳~18歳の男性25人、女性25人から「あんちょこ」は死語と思うかアンケートをとってみました。
アンケート結果

- Freeasyによる独自調査
調査結果
- 死語だと思う 18%
9人(男性4人/女性5人) - どちらともいえない 16%
8人(男性6人/女性2人) - 死語ではない 12%
6人(男性4人/女性2人) - 言葉の意味を知らない 54%
27人(男性11人/女性16人)
調査すると、若年層に「あんちょこの意味を知らない人」は54%と、半数に及びました。
「意味を知らない人」と「死語だと思っている人」を合わせると、72%と大部分を占めています。
若年層で「死語ではないと考えている人」はわずか12%でした。
アンケートで20代~60代 282人に「あんちょこ」は死語かきいてみた

「あんちょこ」は死語か、アンケートを実施したところ、20代~60代以上の282人から回答がありました。
20代~60代の各世代は、それぞれ50人以上の構成です。
アンケート結果

- クラウドワークスによる独自調査
調査結果
- 死語だと思う 25.9%
73人 - どちらともいえない 10.6%
30人 - 死語ではない 12.4%
35人 - 言葉の意味を知らない 51.1%
144人
調査すると、「あんちょこの意味を知らない人」が51.1%と、半数に及びました。
「意味を知らない人」と「死語だと思っている人」を合わせると、77%と大部分を占めています。
「死語ではないと考えている人」はわずか12.4%でした。
「身近な人が使っていたらどう思う?」みんなのコメント
「身近な人がこの言葉を使っていたらどう思うか?」というアンケートに寄せられたコメントは、以下のとおりでした。
- 古いなと思う。(30代)
- 分からない。(20代)
- 言葉の意味を知らない。(40代)
- 意味がわかりません。(20代)
- ちょっと昔の人かなと思う。(40代)
- 意味が分からないので反応できない。(40代)
- えっ?て思う。(30代)
- よくわからない。(30代)
- 懐かしさを感じる。(20代)
- 可愛いから、わたしも使おうと思います。(40代)
- 意味を聞く。(40代)
- 特に何も思わない。(50代)
- 自分も使うことがあるので特に何とも思わない。(60代以上)
- 普通だと思う。(60代以上)
- なにそれ。(20代)
- 学生。(50代)
- ちょっと独特な人かなと思う。(20代)
- どういう意味なのかなと疑問に思います。(20代)
- 意味がわからないので、なんとも。(50代)
- 私が知っているので死語?使っている人は家族くらいです。(50代)
- 時代を感じます。(50代)
- 流石に今はほとんどこんな言葉を聞きませんが、もし身近で使っている人がいるのであれば、好きで使っているのかウケ狙いなのかという感じで受け止めると思います。(40代)
- 初めて聞く言葉なので意味を聞くと思います。(50代)
- 意味は分かるようでわからないけどときどき使っているかも。(50代)
- 意味を聞くと思います。(40代)
- 古すぎてびっくりする。(40代)
- 日本語でないようだ。(60代以上)
- 何を言っているんだろうと思う。(20代)
- 周りに通じないなら通じないで、隠語の意味を成すのでそれはそれでいいことだと思います。(50代)
- 私は大丈夫だが、最近は使われないと思います。(60代以上)
- 友人とか気さくな中なら昭和~とツッコむ。(50代)
- 古い言葉使いだと思います。(50代)
- 意味を問い直します。(60代以上)
- わかりやすい言葉を使えと思う。(30代)
- 意味が分からないのであまり使わないでほしいと思います。(20代)
- 知っているフリをしてごまかすと思います。ニュースリア充。(60代以上)
- 意味が分からないと思うと思います。(40代)
- 長いこと聞いていなかった言葉なので、今どき「あんちょこ」と言う人がいるのかと、少し驚くかもしれません。(50代)
- 同世代の人間だと思います。(50代)
- 今はそんな言葉使わないよ。(60代以上)
- 意味は分かるが古いと思う。(60代以上)
- 普通に思います。(30代)
- 今時珍しいなと思う。(50代)
- 久しぶりに聞くなあと思います。(50代)
- 懐かしさを覚える。(60代以上)
- 久しぶりに聞いたなあ。(50代)
- 年上の人であれば良いが若かったら違和感がある。(50代)
- 特段何とも思わない。(60代以上)
- 初めて聞きました。意味を知りません。(50代)
- どうも思わない。(10代)
- 少しセンスが古いのではないか?と思います。(60代以上)
- 昭和の人だなと思います。(50代)
- 今時珍しいと感じます。(60代以上)
- 勉強で使う参考書のことを言うので、何の勉強をしているのですかと聞きたいと思います。(60代以上)
- ごく普通の人だと思い、違和感はない。(60代以上)
- 意味が分かりませんので、別に思いません。(60代以上)
- 古い人間。(60代以上)
- 若い子はわからないだろうなと思います。(40代)
- 私は使っていたことがありますが、微妙な気がします。(60代以上)
- 私はわかるがあまり知られていない言葉だと思います。(60代以上)
- 年がばれますよ、って思います。(60代以上)
- わかる人いる?と思います。(50代)
- どうとも思わないです。(50代)
- 軽い感じがします。(60代以上)
- 意味が分からない。(60代以上)
- 「虎の巻」よりは近代だな、と思います。(60代以上)
- 参考書のことですね。(60代以上)
- わからない。(40代)
- 古い言葉なので50歳以上かなと感じます。(60代以上)
- 手軽に確認できる「参考書」や「自分専用のマニュアル」を活用している印象を持たれます。(60代以上)
「あんちょこ」は死語なのか考察してみた

「あんちょこ」の死語度は77%です。
死語になった理由は、いくつかの理由が考えられます。
死語になった要因
- 効率的な学習が特別視されなくなった
- 学習塾のツールなど学習方法の多角化
- ゆとり教育の導入と脱ゆとりの転換
効率的な学習を安直と見る時代ではなくなった
「あんちょこ」は答えを暗記する勉強法を、「安直」と考える批判的な言葉です。
現代では答えを暗記する参考書に対する、批判的な見方はほとんどありません。
効率的に学習を進めるのは現代では当たり前で、学習塾でも要点を絞った独自の資料を配布しています。
むしろさらに効率的な学習ができる環境にあるため、「あんちょこ」を特別なものとして見ることはなくなりました。
創造性を育むゆとり教育の挫折
1990年代後半の受験地獄と呼ばれる学力競争への反省から、日本では創造性を育む目的で2000年代に「ゆとり教育」が導入されました。
しかし学力低下が目立ち、補修のためにかえって「ゆとり」がなくなる逆転現象から、2011年に「脱ゆとり」に転換しました。
「脱ゆとり」の時代には、すでに「あんちょこ」は死語になっています。
「あんちょこ」まとめ
本記事では「あんちょこ」の意味と、死語になっているかを考察しました。
アンケートからわかった 現在の死語度は77%です。
効率的な学習を、現代では特別視しなくなっています。
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