「写メ」は 2000 年代に流行した、「写メール」の略語です。
写メールとは
メールで送れるデジタル写真のこと
死語度は80%です。
理由はデジタルが標準になり、メールで写真を送る文化がなくなったからです。
「写メール」はもともと、携帯キャリアの J-PHONE がカメラ付き携帯電話を売り出すために使った、2001 年 夏のキャンペーンワードです。

かつて現像の必要がない「デジタル写真」が特別だった時代に、「写メ」というワードが使われていました。

2000年当時は、写真をデータで送れること自体が、新鮮だったんじゃ!
そこで本記事では「写メ」の意味や由来を解説して、現代では死語なのかを詳しく考察します。
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「写メ」の意味を解説


「写メ」は当初、「メールでデジタル写真を送れること」でした。
しかし次第に「ケータイで写真を撮ること」そのものが、「写メ」の意味に変わっていきました。
最初はメールでデジタル写真を送れることだった
写メの意味は当初、「メールで送れるデジタル写真」でした。
携帯キャリア J-PHONE の、「携帯電話で写真を撮ってメールに添付して送れる」という販促用のキャンペーンワード「写メール」がもとになっています。
ケータイで写真を撮ることに意味が変わっていった
J-PHONE の世界初のカメラ付き携帯電話「J-SH04」が大ヒットすると、みんながケータイで写真を撮るときに、「写メを撮る」というようにないりました。
次第に「ただケータイで写真を撮ること」が、「写メ」の意味に変わっていきました。
「写メ」の歴史を解説


「写メ」が大きな流行になった大きな理由は、2000年まではカメラといえば、フイルムカメラが標準だったからです。
20世紀を生きてきた世代には、メールでかんたんに写真が送れる「デジタル写真」そのものが、大きな衝撃でした。
1990年代までフイルムカメラが当たり前だった


世界初のデジタルカメラは 1981 年にソニーが開発しています。
しかし市場で流通を始めたのは、1990 年代の後半と、開発からずっとあとのことです。
世の中の人にとって、カメラといえば フイルムカメラが当たり前 でした。





みんなカメラからフイルムを取り出して、カメラ屋さんに現像にだしていたんじゃ!


「写ルンです」で写真が身近になった
一般的にカメラそのものが高級品で、現像にもお金がかかっため、旅行の記念写真などしか写真を撮る機会はありませんでした。



カフェでばえる写真を、気軽に撮れるような時代じゃなかったんじゃ!
1981 年に富士フイルムから発売された「写ルンです」で状況が一変しました。
- 引用:富士フイルム
「写ルンです」は、写真を撮ったら本体ごとカメラ屋さんにだして、写真だけが返ってくるシステムでした。



高価なカメラ機本体を買わなくても、写真が撮れるのが画期的だったんじゃ!
「使い捨てカメラ」と呼ばれる手軽さで、「写ルンです」は大ヒット。
当時の様子は漫画「こちら葛飾区亀有公園前派出所」でも紹介されています


- 引用:集英社「こちら葛飾区亀有公園前派出所」88巻|戻って来てブーメランくん!の巻| 秋本治 (著)
1990 年代後半には、女子高生の三種の神器、「携帯電話」「音楽プレーヤー」「使い捨てカメラ」として、日常的に持ち歩いていることが注目されました。
それだけカメラは普段は持ち歩かないものでした。
「写メ」が普及するまで「写真は印刷するもの」だった


1990年代後半から、フイルムのいらないデジタルカメラは普及を始めました。
しかし当時はまだ「写真は印刷するもの」というのが一般的な考え方でした。



「カメラ屋さんに現像にださなくていい」というだけで、まだデジタルのメリットはいかされていなかったんじゃ!
世界初のカメラ付き携帯電話 ゼロヨン
「写メ」が流行したきっかけは、J-PHONE の 世界初のカメラ付き携帯電話「J-SH04」です。
携帯キャリア一覧
- NTT DoCoMo NTTドコモ
- 日本テレコム J-PHONE Vodafone ソフトバンク
- 第二電電(DDI)、ケイディディ(KDD)、日本移動通信(IDO)三社合併 KDDI au
「ゼロヨン」と呼ばれていたこの折りたたみケータイは、2000 年 11 月 1 日にシャープから発売され、たちまち大ヒットになりました。
ケータイが普及するまでの歴史
- 1990年頃 ポケベルが普及
- 1995年頃 PHSが普及
- 1999年頃 折りたたみケータイが普及
- 2000年 カメラ付きケータイが発売
- 2008年 日本でiPhoneが発売
すでに前年、京セラから世界初のカメラ付き PHS「VP-210」が発売されていましたが、「重くて大きい」と人気はありませんでした。


J-PHONE は発売から翌年の 夏季キャンペーンに、画像添付ができる「ロングメール」と、カメラ付き携帯電話のセットをセットにして、「写メール」というキャンペーンワードで訴求。



「写メール」によって、印刷しなくても写真を共有できる「デジタルの本質」に、みんなが気づいたんじゃ!
参考:
プレジデントオンライン
若者を中心に「写メール」が大ヒット
若者を中心に、カメラ付き携帯電話「J-SH04」が爆発的に売れたことで、J-PHONE はシェアを拡大しました。
3G回線になって、データの通信速度があがったことも、「写メール」の普及をあと押ししました。
「写メールの」流行の翌年に、そのほかの携帯キャリアも、遅れて同様のサービスを打ち出しました。
各携帯キャリアの写真サービス
- 2002 年 4 月 KDDIは「フォトメール」
- 2002 年 6 月NTTドコモも「iショット」
しかし J-PHONE の「写メール」が先行していたため、社会に定着したのは「写メ」でした。
「写メ」は死語なのか考察してみた


「写メ」の死語度は80%です。
デジタルが標準になり、メールで写真を送る文化がなくなったからです。
「写メ」が死語になった理由
- 写真といえばデジタル写真になり特別ではなくなった
- SNSの普及で写真は共有するもので、送るものではなくなった
- スマホの写真の画質がアナログを超えた
「写メ」が死語になったきっかけは iPhone 3Gの発売
「写メ」が死語になったきっかけは、 iPhone 3Gの発売です。
「初代 iPhone」は 2007 年 6 月 29 日に発売されました。
日本では遅れて翌年の 2008 年 7 月 11 日に、「iPhone 3G」がソフトバンクから登場しました。



手のひらサイズのパソコン、スマホの普及で、SNSが一気に発達したんじゃ!
スマホが普及するまでは、写真はメールに添付して送るものでした。
しかし、つねにインターネットにつながっているスマホが普及すると状況が一変。
写真は「
(旧ツイッター )」や「フェイスブック 」にアップして共有するものに変わっていきました。

個人間で写真を共有する場合も、メールではなく「LINE
」で送ることが一般化しました。


写真を共有する文化が変化したことで、メールで写真を送る「写メ」は死語になったんじゃ!
Z世代にはフイルムカメラのエモさが特別になった
デジタル写真が標準化されて、現代のZ世代には、フイルムカメラのほうが特別なものになっています。
1990年代に流行したチェキが2010年代に再熱!
1990年代の女子高生に、軽くてかわいく、その場で現像できて楽しめる「チェキ」が流行していました。
しかし 2000 年代にデジタルカメラが普及すると、大きくシェアを落としました。
2012年に発売された「INSTAX mini 8」で人気が再熱。


- 引用:メーカー公式
デジタル写真が標準化された世の中で、その場で手に取れる写真が印刷できるところが人気の理由 でした。
大人気だったアーティストの きゃりーぱみゅぱみゅさんの、ポップで毒っけのある「原宿像」をもとにした、「Kawaii」が結びついたのも、人気の理由でした。
エモい写真が撮れるフイルムカメラが人気
現代の若い世代には、エモい写真が撮れるフイルムカメラが人気になっています。



いまや若者にとって、エモい写真が撮れるほうが、特別なんじゃ!
フイルムカメラや、カセットテープのような、アナログなアイテムに若者は魅力を感じています。
手間がかかって、かんたんにコピーできないほうが、特別 だからです。
フイルムカメラの人気を受けて、リコーからフイルムカメラが再販されています。
質感を求めて、あえてフイルムは手巻きの仕様になっています。
予約殺到で一時受注停止になるほどの人気!




現代でも『写メ』が使われていないか調査してみた


現代でも「写メ」という言葉が使われているか、調査しました。
以下のケースで、「写メ」の使用例がありました
2000年代に「写メ」に慣れ親しんだ世代
2000年代に「若者だった人」は、今でも「写メ」という言葉を使っている場合があります。
親の影響で「写メ」という言葉を使って、空気が変わってあせったという若者もいるようです。
広い世代に発信するアイドルは今でも「写メ」を使っている
アイドルの業界では「写メ会」など、文化として「写メ」という表現が残っています。
「写メ会」だけでなく、SNSの発信でも、「写メ撮った」などの表現が使用されています。
また
(旧Twitter )の若者世代でも、上の世代を意識した発信では、「写メ」という表現が使われています。写メ日記
「写メ日記」は性風俗産業で働く女性が、集客のために投稿する、写真つきの短文の日記です。
「写メ」という表現が一般的だった時代の流れで、今も使用されています。
『写メ』まとめ
「写メ」はデジタル写真が受け入れられていく中で、デジタルの意味を象徴する言葉でした。
現代ではデジタルが標準化され、「写メ」は死語になっています。
しかし2000年代から続く一部の文化では、いまでも「写メ」が使われています。
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