【死語度90%】家族サービスってどんな意味 ?【すでに死語なのか考察】

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「家族サービス」は「普段、仕事で家庭にいない父親が、休日に家族を遊びや食事に連れ出すこと」です。

死語度は90%です。

「男女平等」や、「父親も主体的に家事・育児を担う」のが当たり前になった現代では、死語になっています。

本記事では「家族サービス」の意味を解説して、現代では死語なのかを考察します。

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「家族サービス」の意味を解説

「家族サービス」は「普段、仕事で家庭にいない父親が、休日に家族を遊びや食事に連れ出すこと」です。

戦後の男性社員は家庭にいなかった

戦後の高度経済成長期から、1980年代のバブル期にかけては、男性の会社員は「深夜残業や休日出勤が当たり前」の世の中でした。

男性の会社員を「企業戦士」といったり、栄養ドリンクのTVCMで「24時間、戦えますか」と訴求されていた時代です。

そのような社会状況から、当然ながら、家庭では父親の不在が当たり前になりました。

博士

休みは疲れきって、寝ているだけのお父さんも、いっぱいいたんじゃ!

心身ともに帰属した会社のために酷使するのが標準化され、「夫は仕事」、「妻は家庭」という社会的な先入観が固定化されました。

結果として、「夫は仕事さえしていればいい」という社会的風潮が生まれました。

当時は、そこまで仕事が忙しいわけでもなくても、「一生懸命、仕事をしたぶん、休みは趣味のゴルフに使う」などの構造が生まれました。

女性社員は寿退社で専業主婦になるのが当たり前とされた時代

戦後の昭和の時代では、女性社員は結婚したら仕事をやめて、家庭に入るのが当たり前とされていました。

結婚を機会に会社をやめるのは「寿退社」といわれ、「家で愛する夫の帰宅を待つ」のが理想化されていました。

博士

庭付き一戸建ての明るい家庭と、セットだったんじゃ!

共働きの家庭は珍しく、両親の不在の家に帰って、自分で玄関の鍵をあげる子供は「かぎっ子」といわれました。

しかし一人あたりに必要な実質賃金が足りなくなってくると、家庭に入った女性は限定的に、パートタイムの労働にかり出されるようになりました。

家族サービスは家庭の不満のガス抜きだった

「家族サービス」は家庭をかえりみない男性に求められた、ガス抜きの役割がありました。

男性優位の社会で、家庭だけが居場所になった女性は、 社会的なつながりを絶たれ、ストレスをためこんでいました

核家族化で家事や子育ての一切を担った女性は、家事労働でも不公平な状況に置かれていました。

核家族とは

核家族とは、親と子どもだけの、2世代の家庭のこと。
祖父母と親、子どもの3世代以上が同居する家族は、拡大家族とよばれる。

そこで家庭をかえりみない男性は「たまの週末」に、妻や子供を「外食」や「行楽地」、テーマパーク」に連れ出すことで、ガス抜きで家庭内のバランス をとっていました。

「家族サービス」という見方は、「男性は仕事(だけ)をするもの」という、固定観念から生まれた言葉です。

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「家族サービス」の語源や由来を解説

「家族サービス」という男性優位の見方は、明治期以降に強まりました。

欧米の文化や、戦時下の社会的な状況の影響があります。

産業革命前までは与えられた運命に従うのが当たり前だった

19世紀の産業革命があるまでは、「努力して人生を変える」という考え方は一般的ではありませんでした。

生まれながらに地位は決まっていて、努力で変えられるという考えはありませんでした。

男女の不公平感もなく、努力する代わりに、誰もが神に祈っていました。

努力は美徳ではなく、耕作面積が限られていたため、フランスなどでは努力して規定以上の畑を耕すと、地域社会に罰せられることもありました。

19世紀の産業革命で、農夫が賃金で雇われる工員になると、自分の運命は変えられると意識されました。

またフランス革命で「人権」という見方に目覚めたことで、「近代的自我」が意識されるようになりました。

近代的自我とは

主体的に自分のことは自分で決めること

男女同権が意識されるようになったのは、産業革命後の近代のことです。

良妻賢母は欧米から輸入されたものの見方

黒船の砲艦外交で開国した日本は、欧米列強に対抗するために、多くの西洋の文化を取り入れました。

その中にはキリスト教的な「良妻賢母」の考え方がありました。

良妻賢母とは

良妻賢母(りょうさいけんぼ)とは、夫に対してはよき妻であり、子供に対しては賢い母親であること。

日本人の解釈でこの考え方が取り入れられたことで、女性を家庭に縛りつける風潮が強まりました。

戦後、 初代の婦人少年局長となった山川菊栄女史はその回想記によれば、 明治30年代、 東京の一流公立女学校に学んでいたが、ただ新聞を読んでいるというだけで、 担任教師から “険しく渋い顔” をされたと
書いているし、また“学校は学校で、賢母良妻というお念仏を胸がわるくなるほどきかせましたが、 ……したがつて教室の空気は息づまるほど低調であり、若い娘の魂をゆすぶるような高い理想とか、 明るい希望とかいうものは与えられず……” と述べている。

引用:キリスト教系女子教育研究のしおり –明治時代プロテスタント系女学校について–

女性にも教育を、という女性解放の一環でもありましたが、しかし女性は家庭に入るという固定観念にもつながる面がありました。

戦時下で妻は銃後を守る存在だった

「一億総玉砕」という言葉が使われたほど、日米の闘いは過酷なものでした。

戦時は「男性は命をかけて戦地へ、女性は銃後で家庭を守る」という社会的な状況がありました。

戦後もこの社会的構造の影響が続きました。

戦後復興のために「庭付き一戸建て」の夢を国が用意した

戦後復興のために、国は経済の発展を急ぎました。

博士

経済発展のために、国は戸建ての購入を推進したんじゃ!

戦前の大阪の借家率は9割でしたが、平成では5割にまであがっています。

大阪市の戦前の借家率(給与住宅を含む)は91%であり(昭和16年大都市住宅調査。対象24都市中最高)、戦後の昭和23年では75%、平成25年で54%となっている。東京(戦前は東京市、戦後は23区)の借家率は、それぞれ、75%、52%、50%である。

引用:賃貸住宅の今昔|麗澤大学経済学部 特任教授 太田秀也

経済的に豊かになった結果もありますが、国が住宅ローンとセットで、戸建ての購入を後押しした時代背景もあります。

長期低利の資金を提供する住宅金融公庫の、持ち家政策を推進などです。

昭和の典型的な家庭像が生まれ、夫は仕事に向かい、妻は家庭を守る構図が強まりました。

専業主婦が一般化された社会に男性は感化されて育った

本来は「男性だけが外で仕事はするもの」という決まりはないはずです。

しかし、「専業主婦が当たり前」という社会的風潮が一般化されると、そこで幼少期を過ごした男性は「そういうもの」だと先入観を持ちました

たとえば昭和から平成にかけて人気だった「サザエさん」や「ドラえもん」、「ちびまる子ちゃん」、「クレヨンしんちゃん」を観ると、お母さんは専業主婦の設定で描かれています。

自然と男性は「結婚したらパートナーは家庭に入る」と思い込む ようになりました。

社会の中間層が細くなって1人の稼ぎでは食べられなくなった

戦前には、「1人の稼ぎで10人以上の家族が食べられる家庭」も存在する時代がありました。

博士

時代とともに、1人あたりが稼げる実質賃金 はさがり続けているんじゃ!

「サザエさん」や「ドラえもん」、「ちびまる子ちゃん」、「クレヨンしんちゃん」を観ると、核家族化で家族の人数は減っていますが、家族が減ったぶんだけ豊かになっているわけではありません

現代では共働きでなければ、家族が食べらる世帯収入を確保できない家庭 が増えています。

ある一時期から「妻が扶養内でパートタイムで働く」のが一般的になり、次第に「夫婦で正社員の共働き」へと変化 してきました。

このように女性は社会の要請に翻弄されて、時代においての役割を生きてきました。

参考:
「富裕層太り中間層細る」2020年日本経済どうなる|毎日新聞

男女同権の推進

社会から切り離された女性は、社会的に帰属する場所がないために、不安を感じていました。

博士

時代とともに、男女同権が推進されてきたんじゃ!

戦後、日本国憲法の制定により男女平等が法的に保障され、婦人参政権が実現しました。

「労働基準法」や「男女雇用機会均等法の制定」などで、女性の社会的地位は向上しました。

1999年の「男女共同参画社会基本法」の成立で、現在も男女平等の推進が続けられています。

日本の企業における管理職の女性比率は、世界的に最低クラスのため、道半ばとなっています。

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「家族サービス」は死語なのか考察してみた

「家族サービス」の死語度は90%です。

死語になった理由

  • 男女同権の推進
  • 社会の中間層が細って専業主婦が成立しなくなった

「家族サービス」とは、「普段、仕事で家庭にいない父親が、休日に家族を遊びや食事に連れ出すこと」です。

男性優位のものの見方は、現代の社会では受け入れられなくなっています。

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「家族サービス」まとめ

本記事では「家族サービス」の意味と、死語になっているかを考察しました。

「家族サービス」の死語度は90%です。

男性優位のものの見方は、現代の社会では受け入れられなくなっています。

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