「イントラネット」は、「社内ネットワーク」という意味のIT用語です。
イントラネット(intranet)の「intra-」は、「内部の」という意味の接頭辞です。
死語度は70%です。
技術的な意味での「イントラネット」は、「TCP/IP」という通信のルールを使ったネットワークのことですが、現代では「TCP/IP」以外のプロトコルを使ったネットワークは、ほぼあり得ないからです。
本記事では「イントラネット」の意味を解説して、現代では死語なのかを、あらためて考察します。
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「イントラネット」の意味を解説

「イントラネット」は、「社内ネットワーク」という意味のIT用語です。
イントラネットはTCP/IPで構築した組織内ネットワーク
「イントラネット」は、特定の場所や組織の中でのみ使えるネットワークのことです。
たとえば、学校や会社の中で使うネットワークが、「イントラネット」にあたります。
技術的には、TCP/IPネットワーク機器で構築されたネットワークをいいます。
TCP/IPとは
コンピュータが、インターネットやネットワークで、情報を送り合うためのルールの集まりのこと。
「インターネットの住所」にあたる「IPアドレス」と、「パケット」という情報の配達員である「TCP」を使った技術。
- TCP(Transmission Control Protocol)
ビジネスにおける一般用語としてのイントラネットの意味
ビジネスの現場では、「イントラネット」はイコールで、そのまま「社内ネットワーク」を意味します。
これはTCP/IP以外のプロトコルで構築したクローズドネットワークが、現代ではほぼあり得ないため、「社内ネットワーク」というシンプルな意味でじゅうぶん通じるからです。
イントラネットの特徴とメリット
イントラネットは組織内のクローズドネットワークのひとつのため、高い安全性が特徴です。
外部からのアクセスが制限されているため、情報が外に出る心配がありません。
イントラネットに接続するには、特定の場所にいるか、特別な許可が必要だからです。
流出しては困る情報を共有する上で、一定の安全性が担保されています。
イントラネットのデメリット
「イントラネット」のデメリットは、導入に高額な費用が必要なことです。
またサーバーの保守、ソフトウェアの更新、障害対応のために、メンテナンスコストや人員体制が必要です。
しかし情報漏洩の対策として、必要なコストと考えることがほとんどです。
「イントラネット」の語源や由来を解説

「イントラネット」は「TCP/IP」という、「情報を送り合うためのルールの集まり」で構築したネットワークのことです。
この「情報を送り合うためのルールの集まり」を「プロトコルスイート」といいます。
1990年代まではTCP/IP以外のプロトコルを使っていた
1990年代までのクローズドネットワークでは、TCP/IP以外のさまざまな「プロトコルスイート」を使っていました。
さまざまなプロトコルスイート
- NCP (Network Control Protocol)
ARPANETで1971年に実装された、最初に使用されたプロトコル。
ARPANETは1969年に創設されたインターネットの前身。
TCP/IPはARPANETで使うために生まれ、1983年に標準プロトコルになった。 - DECnet
デジタル・イクイップメント・コーポレーション(DEC)が開発した、ネットワークプロトコルスイート。
DECのコンピュータ間の通信に使用された。
DECは、IBMやPC市場の台頭により苦境に陥り、1998年にCompaqに買収された。 - SNA (Systems Network Architecture)
IBMが開発したプロトコルスイート。
IBMのメインフレームコンピュータ間の通信に使用された。 - AppleTalk
Apple製品のユーザー間で広く使用された。
ローカルエリアネットワーク(LAN)でのファイル共有やプリンタ共有などに適していた。 - NetBIOS
異なるコンピュータ間の通信を可能にするネットワークプロトコル。
セキュリティリスクが高いため、現在はTCP/IPに置き換えられている。 - IPX/SPX
ノベルのオペレーティングシステム「NetWare」のネットワークで、広く使用されていたプロトコルスイート。
「NetWare」は高い人気で、1983年のリリースから、1990年代初頭にかけて、企業内ネットワークで広く使用された。
TCP/IPの歴史
TCP/IPは、1970年代にアメリカで開発されました。
最初は「ARPANET」という実験的なネットワークで使うために作られました。
1973年に実質的な開発が始まり、1981年に正式な仕様が公開されました。
1990年代にWorld Wide Web(WWW)の普及により、TCP/IPは一般にも広く知られるようになりました。
特に、1995年のWindows 95の発売で、TCP/IPは世界的に普及しました。
TCP/IPのクローズドネットワークの一般化
インターネットで標準化された、「TCP/IPやFTPなどの通信プロトコル」を取り込んで構築したのが、「イントラネット」です。
インターネットが広く普及したために、TCP/IPネットワーク機器が高機能でありながら、低価格になったことも、「イントラネット」が企業ネットワークで一般化していった理由のひとつです。
イントラネットが一般化していった理由
- 使い慣れたWebブラウザやメールソフトを流用しやすい
- インターネットと連携したシステムの構築が容易
- 同じパソコン端末で、情報系システムや、業務システムを操作できる
「イントラネット」の関連語や関連ツール

イントラネットに関連する言葉やツール、サービスを紹介します。
社内ポータル
「社内ポータルサイト」は、企業内のネットワークに設けられた、従業員専用のポータルサイトのこと。
業務に必要な最新情報やサービスを一元的に管理し、従業員が簡単にアクセスできます。
自社開発の社内ポータルのほかに、外部のサービスを導入する方法もあります。
参考:
- TUNAG(ツナグ)
株式会社スタメンが提供する社内ポータル・社内SNS。
導入企業数は900社以上。 - LumApps(ルムアップス)
Google Workspaceとの連携できる社内ポータルサイト。
グループウェア
「グループウェア」は、企業や組織内でメンバー同士で、情報共有するためのツールです。
メール、スケジュール管理、進捗確認、ファイル共有、チャットなどの機能を、組織で管理できるため、仕事の効率があがるツールです。
参考:
- サイボウズOffice
「誰でもかんたんに使える」ことを重視した、日本の中小企業に広く支持されているグループウェア。
スケジュール管理や業務フローの自動化ができる。 - Google Workspace
ビジネス向けのクラウドベースの、プラットフォーム。
メール、カレンダー、ドキュメント作成などの機能が一つにまとめらえている。 - Microsoft 365
生産性向上を目的としたサブスクリプションサービス。
ordやExcelなどのオフィスソフトをクラウドで利用できて、チームの連携を助けてくれる。
社内wiki
社内版Wikipediaのようなもの。
社員全員が記事を作成、編集、閲覧できる。
業務マニュアルやプロジェクト情報などを一元管理できる。
参考:
- NotePM(ノートピーエム)
株式会社プロジェクト・モードが提供するナレッジ管理ツール。
ノート、タスク、データベースなどの社内情報を一元管理し、社内wiki化できる。
特にマニュアル作成やナレッジ共有に適していて、強力な検索機能、柔軟なアクセス権限設定ができる。 - Notion(ノーション)
メモ作成、タスク管理、プロジェクト計画、データベース作成など多様な機能を、一つのプラットフォームに統合した、多機能なワークスペースツール。
柔軟なカスタマイズ性と、直感的なインターフェースを持ち、個人からチームまで幅広く利用できる。
社内SNS・ビジネスチャット
社内SNSやビジネスチャットは、企業内でのコミュニケーションをとるためのツールです。
メールなどに比べて、気軽にコミュニケーションがとれるのが特徴。
参考:
- slack(スラック)
Slackは、リアルタイムでのコミュニケーションをサポートするツール。
チャンネル機能を活用して、プロジェクトごとの情報共有ができる。 - LINE WORKS(ラインワークス)
LINE WORKSは、ビジネス向けのコミュニケーションツール。
チャットやビデオ会議、タスク管理などの機能を備えている。
LINEのような使い勝手で、社外ともつながりやすい。
「イントラネット」は死語なのか考察してみた

「イントラネット」の死語度は70%です。
現代では「TCP/IP」以外のプロトコルを使ったクローズドネットワークは、ほぼあり得ないからです。
技術的な用語としては他にない、生きた言葉ですが、TCP/IPで構築したネットワークが当たり前になって、あえて「イントラネット」と呼ぶ意味が薄れています。
以上の理由から、一般用語としての「イントラネット」の死語度は、70%と考えます。
「イントラネット」まとめ
本記事では「イントラネット」の意味と、死語になっているかを考察しました。
「イントラネット」の死語度は70%です。
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